歳を取るほど、見た目より履き心地が気になってくるのはなぜか

雑感コラム

少し前までは、靴は見た目で選ぶものだと思っていた。
多少きつくても、少し疲れても、それより見た目のほうが大事な時期はたしかにあった。
でも、いつからか履き心地の悪さを無視できなくなってきた。
それを単に歳のせいで片づけるのも、少し違う気がしている。

若い頃は、少し無理のある靴でも何とかなっていた

若い頃は、今よりもう少し無理がきいた。
少し細い靴でも、少し重い靴でも、見た目がよければそれでいいと思えたし、実際それで何とかなっていたところもある。
流行っているものを履くことにも意味があったし、周りと同じ空気の中にいる感じもあった。

そういう時期を、別に否定する必要はないのだと思う。
見た目で選ぶ楽しさはたしかにあるし、少しくらい無茶をしてでも、そのとき欲しいものを履く感じには、それなりの勢いがある。
若い頃には若い頃の正解があったのだと思う。

ただ、その正解はずっと同じではない。
前は気にならなかったものが気になるようになるし、前なら我慢できたことが、今は少ししんどく感じたりもする。
靴の話は、その変化が案外わかりやすく出るところかもしれない。

でも、日常の中で“足がしんどい”は思っているより響く

足が少ししんどい。
それだけなら、大した話ではないようにも見える。
でも実際には、これがじわじわ効いてくる。

通勤で歩く。階段を上る。駅で乗り換える。立ったまま待つ。
少し遠回りしただけなのに、帰る頃には思った以上に消耗している。
休日も少し出かければそれなりに歩くし、旅行ならなおさらだ。
靴が合わないだけで、その日の後半が静かに重くなる感じは、案外ばかにできない。

大げさに言うほどのことではない。
ただ、足の違和感というのは、体のどこか一箇所だけの問題で終わらないことが多い。
膝や腰に来る人もいるし、気分そのものが少し鈍る感じもある。
出かけることが億劫になるほどではなくても、「今日はもういいか」と思う回数が少しずつ増えていく。
靴はそのくらい静かに効いてくる。

だから、履き心地を気にするようになったのは、単に贅沢になったからでもないのだと思う。
生活の中でちゃんと歩けることの価値を、前より現実的に感じるようになっただけなのかもしれない。

見た目より楽さを選ぶのは、老けたというより正直になっただけかもしれない

こういう話をすると、どこかで「それって老けたってことでは」と思う感じもある。
たしかに、若い頃のように無理がきかなくなっている面はあるのだろう。
でも、それだけで片づけるのも少し違う気がする。

見た目より楽さを選ぶようになったのは、勢いがなくなったからというより、身体にかかる負担を無視しなくなったからではないか。
前より正直になった、と言ったほうが近いかもしれない。

若い頃は、多少の無理が“普通”だった。
少し疲れるのも、少し痛いのも、そのくらいは当然だと思っていたところがある。
でも、年齢を重ねると、その“当然”が本当に当然なのか、少し疑うようになる。
そこに意味がある我慢ならまだしも、何となく惰性で続けている我慢なら、やめてもいいのではないかと思うようになる。

楽な靴を選ぶことは、何かを諦めたというより、無理を美徳にしなくなっただけなのかもしれない。
それは少し守りに見えるかもしれないが、別の見方をすれば、自分の生活に対して感度が上がったということでもある気がする。
無理を減らすというのは、ただ楽をすることではなく、日常に残る余力を守ることでもあるのだと思う。

身体に合うものを選ぶことは、少し自由に近い

足が楽なだけで、出かける気分は少し変わる。
移動のハードルが少し下がるし、疲れ方も違ってくる。
それだけのことなのに、日常の呼吸は案外変わる。

大げさに聞こえるかもしれないが、身体に合うものを選ぶことは、少し自由に近い。
無理を前提にしなくていいぶん、出かける余力が残る。
歩くことに身構えなくてよくなる。
そういう小さな違いは、生活の中で意外と大きい。

靴は小さな話だ。
でも、小さいからこそ、その人の生活観が出るのだと思う。
見た目を優先するのか、楽さを優先するのか、その両方をどう折り合うのか。
そこには、その人が何を我慢して、何を我慢しなくなったのかが少し出る。

歳を取るほど、見た目より履き心地が気になってくる。
たぶんそれは、単に老けたという話ではない。
生活の現実に少しずつ嘘をつかなくなってきた、ということなのだと思う。
それは少し寂しい変化にも見えるが、案外悪いことではない気もしている。

見た目と楽さの折り合いを探すなら

こういうことを書いていると、結局いちばん難しいのは、見た目を崩しすぎず、それでもちゃんと歩ける靴を探すことなのだと思う。
人によって正解は違うが、方向としてはこのあたりが見やすかった。

きれいめに寄せたいなら

細すぎず、でもいかにも運動靴には寄りすぎない。
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歩きやすさだけでなく、脱ぎ履きの気楽さまで含めて考えるなら、この方向はかなり実用的だと思う。
見た目よりまず日常の負担を減らしたい人には合いやすそうだ。
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革靴っぽさは少し残しつつ、足はもう少し楽にしたい。
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