韓国の「借金投資」は他人事なのか。働くだけでは不安な時代の生活防衛

ニュース考察

韓国で「借金投資」が広がっているというニュースを見た。

個人が証券会社からお金を借りて株を買う。
信用取引の残高が増えている。
若者だけではなく、中高年も高リスク投資に向かっている。

こう聞くと、最初は「危ないことをしているな」と思う。

でも、少し考えると、単なる投機ブームとして片づける気にはなれない。

給料はなかなか上がらない。
住宅価格は上がる。
株価も上がる。
年金の将来も不安になる。
普通に働いているだけでは、親世代のような生活に届かないかもしれない。

そう感じた人が、借金してでも投資に向かう。

それは危険だ。
でも、その気持ちがまったく分からないかと言われると、正直、分かってしまう部分もある。

韓国の「借金投資」は、ただの投資ブームではない

韓国の借金投資を見ていると、背景にあるのは「儲けたい」という欲だけではないように感じる。

もちろん、相場が上がれば人は欲を出す。
誰でも、波に乗り遅れたくないと思う。

ただ、それ以上に大きいのは、たぶん将来への不安だ。

働いても給料が思うように増えない。
でも、家賃も住宅価格も生活費も上がる。
株を持っている人はどんどん資産を増やしているように見える。
持っていない人だけが置いていかれるように感じる。

こうなると、投資は「余裕のある人がやるもの」ではなくなる。

投資しないと置いていかれる。
働くだけでは追いつけない。
だから、多少無理をしてでも資本市場に入ろうとする。

韓国の借金投資は、そういう不安の表れにも見える。

働くだけでは不安になる時代

この話は、韓国だけの特殊な話ではないと思う。

日本でも、似たような感覚は少しずつ広がっている。

会社で働いていても、給料はなかなか上がらない。
物価は上がる。
社会保険料も重い。
円安で海外旅行も高くなった。
外貨建て資産や株式を持っている人と、円の給料だけで暮らしている人との差も見えやすくなった。

さらに、そこへAIが入ってきた。

AIで仕事が便利になる。
それは間違いない。

でも同時に、人を増やさなくても仕事が回る会社が増えるかもしれない。
ホワイトカラーの仕事の一部は、AIに置き換わるかもしれない。
企業は利益を上げても、その利益が社員の給料ではなく、株主還元や設備投資に向かうかもしれない。

そう考えると、会社員として真面目に働くだけで将来が明るくなる、と素直に信じるのは難しい。

ため息が出る。

ただ、それでも生きていかなければならない。

投資と借金投資は、まったく違う

ここで間違えてはいけないのは、投資と借金投資はまったく別物だということだ。

投資は、これからの時代に必要になると思う。

円だけで持っていることにもリスクがある。
労働収入だけに頼ることにもリスクがある。
企業利益や世界経済の成長の一部を、自分の生活側に取り込む発想は必要だと思う。

ただし、借金して投資するのは違う。

生活費が足りない。
でも株価が上がっている。
今買わないと置いていかれる。
だからカードローンや信用取引で買う。

これは、資本側に近づいているように見えて、実際には負債側に捕まっているだけかもしれない。

相場が上がっているときはいい。
でも、下がったときには借金だけが残る。

本来、生活を守るために投資を始めたはずなのに、投資で生活を壊してしまう。

それでは意味がない。

毎月3000円でも、できることはある

とはいえ、「じゃあどうすればいいのか」と言われると、きれいな答えはない。

誰もが一流企業に勤められるわけではない。
誰もが理系の有名大学や大学院を出ているわけでもない。
AIや金融や先端産業のど真ん中で働ける人ばかりではない。

好きな仕事に就けるとも限らない。
給料が大きく上がるとも限らない。
毎月投資に回せるお金も、3000円しかないかもしれない。

それでも、やれることはあると信じて進むしかない。

毎月3000円でも、ゼロではない。
少額でも、長く続ければ、自分の人生を少しだけ自分側に引き戻すことはできるかもしれない。

もちろん、それで大金持ちになれるとは限らない。
そんな甘い話ではない。

でも、借金して一発逆転を狙うよりは、ずっとましだ。

小さくても、自分でコントロールできる範囲で積む。
生活防衛資金を残す。
よく分からない商品には手を出さない。
SNSで盛り上がっている銘柄に飛びつかない。
円だけに偏らず、少しずつ分散する。

地味だ。
本当に地味だ。

でも、こういう地味なことしか、最後は自分を守ってくれない気もする。

AIが来ても、人間の体でできる仕事は残る

AIが来る。
これはたぶん避けられない。

工場も変わる。
事務も変わる。
物流も変わる。
フィジカルAIやロボットが進めば、今まで人間がやっていた作業の一部も置き換わるだろう。

それでも、全部が一気に消えるわけではない。

第一次産業もある。
床屋もある。
建設現場もある。
介護もある。
修理もある。
料理もある。
清掃もある。
人の体と手を使う仕事は、まだ残る。

もちろん、これらの仕事もAIやロボットの影響を受ける。
楽観はできない。

でも、だからといって「スーツを着て、ネクタイを締めて、きれいなオフィスで働く仕事だけが人生だ」と考える必要もない。

仕事にはいろいろな形がある。
汗をかく仕事もある。
手を使う仕事もある。
人と向き合う仕事もある。
現場で体を動かす仕事もある。

それを下に見る必要はない。

どの道も簡単ではない。それでもやりようはある

少し前に、照明交換工事をしていた個人事業主が、大きな収入を得ていたというニュースを見た。

報道では脱税事件として扱われていたので、そこはもちろん論外だ。
税金はきちんと納める必要がある。

ただ、ここで考えたいのは脱税の話ではない。

現場仕事でも、需要があり、人手が足りず、腕があり、人を集められて、納期を守り、仕事を取り切れる人は、大きく稼ぐことがあるという点だ。

つまり、ブルーカラーは儲からない、という先入観は少し疑った方がいい。

体を使う仕事は、ただの労働ではない。

そこに、営業、段取り、人望、工程管理、見積もり、集客、会計、発信が重なれば、事業になる。

照明交換工事でも、ただ作業する人と、仕事を取り、人を集め、現場を回し、納期までに終わらせる人では、まったく違う。

同じ現場仕事でも、ただ言われた作業をするだけなら労働者で終わるかもしれない。
でも、仕事の取り方を考え、人の動かし方を考え、単価を考え、信用を積み上げていけば、小さな経営に近づいていく。

ここに、まだ可能性がある気がする。

とはいえ、ここで勘違いしたくないのは、ブルーカラーなら簡単に稼げる、という話ではないことだ。

現場仕事で成り上がるのは難しい。
体力もいる。
人をまとめる力もいる。
営業もいる。
段取りもいる。
信用もいる。
危険もある。
下請け構造に巻き込まれれば、思うように単価を取れないこともある。

そんな能力は自分にはない、と思う人もいるだろう。
正直、それも分かる。

ただ、それなら金融やAIは楽なのかと言えば、そんなこともない。

金融の世界は冷たい。
AIの世界も変化が速い。
一流企業に入るのも簡単ではない。
高度人材として生き残るのも簡単ではない。

結局、どの道にも落差はある。

ブルーカラーにも勝つ人と苦しむ人がいる。
ホワイトカラーにも勝つ人と苦しむ人がいる。
投資にも勝つ人と負ける人がいる。
AIを使う側にも、使いこなせる人と振り回される人がいる。

世の中のゲームは、どんどん難しくなっている。

だからこそ、他人から見て立派かどうかだけで、自分の仕事や人生を決めなくてもいいのではないかと思う。

スーツを着ていないから負け。
一流企業にいないから負け。
金融やAIの側にいないから負け。
現場仕事だから下。

そんなふうに決めつける必要はない。

生きている以上、時間は進む。
どうせ時間が進むなら、自分が今できることを、少しでもましな形で積み上げたい。

それが毎月3000円の投資でもいい。
AIを少し使って仕事を楽にすることでもいい。
現場仕事で腕を磨くことでもいい。
小さな商売の入口を探すことでもいい。
今の仕事を、昨日より少しだけうまくやることでもいい。

大きく成り上がれなくてもいい。
誰かにすごいと言われなくてもいい。

自分の人生の時間を、少しでも自分のものとして使う。

それが一番、粋なんじゃないかと思う。

生活防衛は、一発逆転ではない

生活防衛というと、少し大げさに聞こえる。

でも、今の時代にはかなり大事な言葉だと思う。

生活防衛とは、何も大金を稼ぐことだけではない。

借金して無理をしない。
生活費を守る。
少額でも投資を続ける。
自分の仕事を少しでも強くする。
AIを使えるところでは使う。
円だけに偏らない。
焦って高値づかみしない。
体を壊さない。
自分の時間を全部会社に渡さない。

こういう小さなことの積み重ねだ。

韓国の借金投資を見ていると、怖いのは投資そのものではない。

怖いのは、不安に追い詰められて、生活の土台を賭けてしまうことだ。

「今やらないと置いていかれる」
「この波に乗れないと終わりだ」
「借りてでも買わないと追いつけない」

そう思ったとき、人は危ない選択をしやすい。

だからこそ、先に決めておいた方がいい。

借金して投資しない。
生活費を相場に入れない。
よく分からないものには手を出さない。
一発逆転を人生設計にしない。

これは夢のある話ではない。
でも、現実を生きるためには必要な線引きだと思う。

スーツを着る仕事だけが人生ではない

働き方についても、少し考えてしまう。

世の中には、分かりやすい勝ち組のイメージがある。

有名大学を出る。
一流企業に入る。
都心のオフィスで働く。
高い給料をもらう。
資産形成も順調に進む。

もちろん、それができる人はすごい。
否定する必要はない。

でも、多くの人にとって、それは簡単な道ではない。

好きな仕事に就けるとは限らない。
高度人材になれるとも限らない。
一流企業に勤務できるとも限らない。
華やかなキャリアを歩けるとも限らない。

だったら、別の場所で自分の人生を豊かに感じられる働き方を探すしかない。

スーツを着ていなくてもいい。
ネクタイを締めていなくてもいい。
現場仕事でもいい。
手を使う仕事でもいい。
小さな商売でもいい。
副業でもいい。
地域の仕事でもいい。

大事なのは、自分の人生が少しでも自分の側にあることだ。

やせ我慢でも、そう思うしかない

韓国の借金投資は、他人事ではないと思う。

働くだけでは不安になる時代は、日本にも来ている。
AIも来る。
資産価格も動く。
円の価値も揺れる。
仕事の価値も変わっていく。

正直、ため息は出る。

でも、生きている以上、時間は進む。

だったら、借金して一発逆転を狙うのではなく、
他人の評価ばかり気にして自分を腐らせるのでもなく、
自分がやれることを、少しずつやるしかない。

毎月3000円でもいい。
体を使う仕事でもいい。
AIを少し触るだけでもいい。
今の仕事を少し工夫するだけでもいい。

やせ我慢かもしれない。

でも、自分の足で立って、自分の時間を少しでも自分のものにする。
それが一番、粋なんじゃないか。

そう思うしかない。
そして、たぶん本当に、そこにしか始まりはない。

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