ソフトバンクG決算前に見るべきポイント|OpenAIの含み益は本当に価値なのか

ニュース考察

ソフトバンクグループの決算発表を前に、少し気になっている。

ニュースやSNSを見ると、OpenAIへの巨額投資、イーロン・マスクとの裁判、資金調達への不安など、かなりネガティブな話が目立つ。

もちろん、ネットの反応には感情的なものも多い。
ただ、それを全部「便所の落書き」として片づけていいのかというと、少し違う気もしている。

なぜなら、今回のソフトバンクGを見るうえで一番大事なのは、単純に「黒字か赤字か」ではなさそうだからだ。

純利益だけ見ても分からない会社

ソフトバンクGは、普通の通信会社として見ると分かりにくい。

通信事業をやっているソフトバンク株式会社は子会社として存在しているが、親会社のソフトバンクグループは、もはや投資持株会社に近い。

つまり、見るべきものは、売上や営業利益だけではない。

むしろ重要なのは、

  • どんな資産を持っているのか
  • その資産はいくらで評価されているのか
  • 借金に対して資産価値は十分あるのか
  • その資産は現金化できるのか

という点だと思う。

ここで出てくるのが、NAVとLTVという数字である。

NAVとLTVを見る理由

NAVとは、ざっくり言えば、ソフトバンクGが持っている株や投資資産の価値から、借金などを引いた純資産価値のことだ。

もっと簡単に言えば、

「持っている資産を売って借金を返したら、理論上いくら残るのか」

を見る数字だと思えばいい。

一方、LTVは、保有資産に対してどれくらい借金しているかを見る数字だ。

資産価値が大きく、借金が少なければLTVは低くなる。
逆に、資産価値が下がったり、借金が増えたりすればLTVは上がる。

ソフトバンクGの場合、保有資産の価値が大きく動く。
Armの株価、OpenAIの評価額、AI関連投資の評価によって、NAVもLTVも大きく変わる。

だから、今回の決算では、純利益よりもNAVとLTVを見た方がよさそうだと感じている。

一番気になるのはOpenAIの評価

今回、一番気になっているのはOpenAIだ。

ソフトバンクGはOpenAIに巨額投資している。
そして、OpenAIの評価額が上がれば、ソフトバンクGの投資利益やNAVも大きく見える。

ただし、ここには少し怖さがある。

OpenAIは上場企業ではない。
つまり、株価が毎日市場でついているわけではない。

評価額は高い。
でも、それをすぐに売れるのか。
担保として金融機関がどれくらい評価するのか。
将来、本当にその評価額で出口を作れるのか。

ここが問題になる。

もしOpenAIの価値が本物なら、ソフトバンクGにとって大きな武器になる。
一方で、もし市場が「OpenAIの評価は高すぎるのではないか」と見始めた場合、ソフトバンクGのNAVや資金調達力にも影響が出る。

いわば、OpenAIの含み益が本当に使える価値なのか。
ここが今回の決算で一番見たい部分だ。

OpenAIがなくてもソフトバンクGは成り立つのか

とはいえ、OpenAIが不安だからといって、ソフトバンクGがすぐ危ない会社になるわけではない。

ソフトバンクGにはArmがある。
通信子会社のソフトバンク株式会社もある。
その他にも、さまざまな投資先や保有資産がある。

だから、OpenAIがすべてではない。

ただし、今の市場が見ているソフトバンクGの強気ストーリーには、OpenAIがかなり大きく入っているように感じる。

つまり、問題は、

「OpenAIがなくても会社が残るか」

ではなく、

「OpenAIがなくても今の評価が成り立つか」

だと思う。

会社としては成り立つかもしれない。
でも、株価やNAVの見方、資金調達の条件は大きく変わる可能性がある。

明日の決算で見たいポイント

今回の決算では、次の点を見たい。

まず、NAV per share。
1株あたりの純資産価値が、現在の株価をどれくらい上回っているのか。

次に、LTV。
ソフトバンクGは通常時のLTVを25%未満に抑える方針を示しているので、そこに余裕があるのかを見たい。

そして、OpenAIの評価。
OpenAIへの投資がどれだけ利益を押し上げているのか。
その評価額を、会社側がどう説明するのか。

さらに、資金調達。
OpenAI株を担保にした借入、ブリッジローン、マージンローン、社債、手元流動性などについて、どこまで説明があるのか。

最後に、Arm。
OpenAIへの不安を、Armの価値でどこまで支えられるのかも重要だと思う。

決算を当てるより、仮説を検証したい

正直、決算を細かく読むことに慣れているわけではない。

ただ、今回はいい機会だと思っている。

決算が出た後に「良かった」「悪かった」と言うのは簡単だ。
でも、決算前に自分なりの仮説を置いておけば、発表後に答え合わせができる。

今回は、次のように見ている。

ソフトバンクGの決算は、表面上は良く見える可能性が高い。
OpenAIやArmの評価益があるからだ。

ただし、市場が本当に見るべきなのは、純利益ではなく、NAV、LTV、手元流動性、そしてOpenAIの評価が本当に使える価値なのかという点だと思う。

特に気になるのは、

「OpenAI込みなら強い」
ではなく、
「OpenAIを割り引いても大丈夫なのか」

という部分だ。

明日の決算では、この仮説が合っていたのかを確認したい。

投資判断というより、これは自分なりに市場を見る練習である。
数字に振り回されるのではなく、何を見ればよいのかを先に決めておく。

今回のソフトバンクG決算は、その練習材料としてかなり面白いと思っている。

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